コンサルタントの道具箱
コンサルタントの道具箱
勇気と自身がもてる16の秘密
日経BP社(2003)
ソフトウェアその他
G.M.ワインバーグ
★★★★
ワインバーグの著作の中では、ベストだと思っている、「コンサルタントの秘密」の続編である。コンサルタントのための16の道具(これらは物の名前がついているが全て抽象的なものである)と、それを補足する多くの法則からなっている。
例えば、正しいこと、そうでないことを見分ける能力を「知恵の箱」と呼んでいるが、その中には、「ケアリーのゴミ警報」という法則がある。それは「やる価値のないことは、きちんとやる価値もない。ゴミにのしをつけるな。」というものである。これらのワインバーグの経験から出た法則が、その法則の名前の元になった面白い逸話とともに紹介されている。
これらの道具は、文章にすると、自分でも使えそうな錯覚を抱くが、実際に使おうとすると、相当に難しいと思われる。それは人の頭とこころの使い方であるから。
コンサルタント以外の人々には、無用と思われるかもしれないが、本書はコンサルタントと依頼主との人間関係や自分の成長に焦点をあてているので、例えばコンサルタントをフリーランスや、SEに読み替えても十分に通じる。
法則ではないが、私が願う理想の姿を描いた次の文章は忘れられない。そもそもこれこそが、この本が書かれた理由だと思う。
「自分が尊重され、最高の自分を見せる機会のある適正な労働条件のもとで、自分の得意とする楽しい仕事をして、いつも忙しくしていよう。」
前著に比べ、内容が薄くなった感じを受けたことと、翻訳が木村泉さんに比べ、いまひとつでちょっとがっかりである。しかしこの本に投資するお金と時間は決して無駄にならないと思う。
他に役に立ちそうに思える法則が多数ある。
・新しく学ぶことがなくなったら、次へ移るときだ。(ダニーの決断のコツ)
・行動に挫折したら、情報を収集せよ。情報収集に挫折したら、眠れ。(ルグインの法則)
・(1)言葉、口調、ボディーランゲージを使って、心から感謝を示す。
(2)残念そうに、しかしはっきりと、言い訳せずにノーと言う。
(3)将来、別の関係を作るきっかけを示す。
(サティアの物柔らかな一蹴 :依頼を断る際の方法)
・相手が奇妙な行動をとっていたら、たぶん奇妙なものに反応しているのだ。それはたぶん自分である。(パーソンの特異性原則)


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